祝50年!絵本雑誌『かがくのとも』の魅力を凝縮した『かがくのとものもと』

2019年05月17日

こんにちは。スタッフ押川であります。もうずいぶん長いこと、このスタッフブログの更新を怠っておりまして、まことに恐縮なことであります。
わが社の使っているシステムがなんだか使いにくくってついつい更新が疎かに・・・って、ここでのっけからグチっていても仕方ありませんね(笑)。とにかく、これからまた気持ちを入れ替えて、いろいろな情報をマメに発信していきたいと思っております。あらためて、どうぞよろしくお願い申し上げます。

さてさて。福音館書店が出している絵本雑誌のひとつに『かがくのとも』があります。さまざまな分野の科学が見せてくれるオドロキを、小さな子どもたちにもわかりやすく、そして楽しく伝えている科学絵本雑誌であります。
その『かがくのとも』が、創刊から50年という節目を迎えたのを記念して、50年の歴史を集大成した一冊『かがくのとものもと』(本体価格2500円+税)が刊行されました。これまで刊行された『かがくのとも』を代表する名作の数々が、オールカラーの図版とともに紹介されています。

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動物たちの「うんち」から見た生物の物質代謝のしくみ。子どもたちが生活の中で感じる「気持ち」のこと。パズルのような絵でわかる、数や形の不思議。アリの視点から見るオドロキの世界。おばあちゃんの干し柿から見えてくる、太陽の大きな力。工作や実験、遊びを通して知る科学の面白さ・・・などなど。『かがくのとも』が、いかに多様な切り口で科学のオドロキと面白さを伝えてきたのかがよくわかり、大人の好奇心も大いに刺激してくれます。
巻末には、創刊号から2019年3月号までの全600冊(プラス増刊号1冊)が、表紙写真と簡単な内容紹介とともにズラリと勢揃いしておりますので、資料としても大いに重宝しそうであります。

これまで『かがくのとも』を支えてきた主力作家さんによる「折込の言葉」も、いくつか再録されています。その中のお一人で、昨年逝去された加古里子さんは、こうおっしゃっています。

「科学絵本や科学読物の存在意義は、私たちが真に幸福で豊かな生活を守るためには、まだまだかしこさが不足で、それには学校や家庭や社会から学び教えられることと共に、子ども自身が本を通じて自主的にかしこく育って欲しいとの立場にほかなりません」

そうなんですよね。小さい頃から科学に親しんでおくことは、これからもずっと、幸福で豊かな生活を送るためにも大切ですよね。『かがくのとものもと』は、子どもとともに科学のオドロキと楽しさに触れることの大切さを再認識させてくれます。

岩切書店(宮崎こどものとも社)

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第12回保育環境講座資料

2018年09月10日

9/9に開催いたしました、第12回保育環境講座にて吉本和子先生が使用された資料を、吉本先生了承のもとに公開いたします。園内での研修以外では使用しないでください。

 ご参加の先生方、ありがとうございました!

乳児の遊び(新).pdf

乳児研修.pdf

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震災から7年・・・これからも末永く、多くの方につないでいきたい傑作『紙つなげ!』

2018年03月05日

こんにちは。スタッフ押川であります。

この本のことを、また多くの方に伝えたくなる時期がやってまいりました。ノンフィクション作家・佐々涼子さんの『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』(早川書房)。
7年前の東日本大震災による大津波により壊滅的な被害を受けた、宮城県石巻市の日本製紙石巻工場が、震災から半年後に奇跡の復活を果たすまでを綴った傑作ノンフィクションです。

長きにわたり、日本の出版を紙の生産によって支えてきた石巻工場。しかし、あの日の巨大津波により甚大な被害を受け、工場は閉鎖されるのではないか、と思う従業員もいたほどの絶望的な状況でした。しかし当時の工場長は、震災からまだ半年も経っていない段階、それも電気や水道などのインフラの復旧もままならない中で、工場復旧の期限を「半年」に区切る、と宣言します。
当の工場長も含めた誰もが不可能だと感じるような、途方もない目標。しかし、現場の人びとは一丸となって工場の復旧に邁進していきます。地元石巻の復興への願いと、日本の出版を支え続ける出版用紙の生産という仕事へのこだわりと誇りを胸にしながら。
そして、震災から半年後の9月14日、最初に復旧されたマシンが稼動する時を迎えたのです・・・。

まさに奇跡的といえる、絶望からの見事な復興へのドラマに、読みながら幾度も、目頭が熱くなるのを抑えられませんでした。工場の人びとの仕事へのこだわりと誇りが滲み出るエピソードやことばのひとつひとつも、胸を打つものがありました。
とはいえ、著者の佐々さんの筆致は、ことさら煽り立てるようなことをしません。工場の人びとや石巻の人びとが語った当時の記憶を、あくまでも淡々とした記述で記録することに徹する姿勢には、大いに信頼と好感を持ちました。

本書の終盤に綴られた感銘深い一節を、ちょっと長いのですが引用させていただきます。

「本が手元にあるということはオーストラリアや南米、東北の森林から始まる長いリレーによって運ばれたからだ。製紙会社の職人が丹精をこめて紙を抄き、編集者が磨いた作品は、紙を知り尽くした印刷会社によって印刷される。そして、装幀家が意匠をほどこし、書店に並ぶのだ。手の中にある本は、顔も知らぬ誰かの意地の結晶である。
読者もまたそのたすきをつないで、それぞれが手渡すべき何かを、次の誰かに手渡すことになるだろう。こうやって目に見えない形で、我々は世の中の事象とつながっていく」

震災から7年。当時の記憶の風化も言われるようになっていますが、本書はこれからも末永く「たすき」として手渡されて、つながっていく一冊となって欲しいと、心より願っております。
ちなみに、2014年に刊行されたハードカバー版にも、そして昨年刊行された文庫版にも、日本製紙石巻工場産の紙が使われております。ぜひとも、その紙の風合いと感触を味わいながら、じっくりとお読みいただけたら、と思います。

Posted from スタッフ押川

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第11回保育環境講座資料

2018年02月14日

第11回保育環境講座に参加いただいた方に追加の資料を吉本和子先生のご了解のもと公開いたします。

第9回講座の資料とともにご活用ください。

新任保育士のための.pdf

就学前チェック表.pdf

環境認識.pdf

5歳児終了時までに育ってほしい「10の姿」.pdf

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『ひとりで えほん かいました』子どもたちが素敵な本と本屋さんに巡り会えますように・・・

2017年12月24日

こんにちは。スタッフ押川であります。

お誕生日に、手作りの「ひとりで おかいもの けん」をプレゼントしてもらったかおりちゃんは、それを持ってはじめて一人で絵本を買おうと本屋さんに行きます。
店内で迷子になっていた近所の男の子を助け、その子のお母さんを見つけ出したかおりちゃんでしたが、急におしっこがしたくなったり、今度は自分が迷子になってしまったり。かおりちゃんは無事に、お気に入りの絵本を見つけ出して買うことができるのでしょうか・・・?
本書『ひとりで えほん かいました』(くすのき しげのり作、ゆーち みえこ絵、アリス館)は、一人ではじめて絵本を買おうとする女の子と、それをとりまく人たちを描いた絵本です。

おしっこがしたくなった主人公に気づき、トイレに連れて行ってくれる女子高生。どの絵本にしようかと迷う主人公をサポートしてくれる店員さん・・・。本屋さんの空間とそこに集う人びとは、一人ではじめて買い物にやってきた女の子を優しく包み込んでくれます。ゆーち みえこさんによる温かみのあるタッチの絵は、そんな本屋さんの店内風景を魅力的に描いています。
主人公が本屋さんに並んだ本を見ながら、恐竜の背に乗ってお散歩することなどを夢想する場面も、なんだかいいなあと思いました。いろいろな本が並ぶ本屋さんの店内は、想像力を掻き立てる空間でもあるということを、あらためて思い起こさせてくれました。
そうそう、本屋さんの店内を描いた場面では、ちょっと嬉しくなるような趣向も盛り込まれていますので、ご覧になるときにはどうか細部まで、しっかりとご覧いただけたら、と思います。

作者であるくすのき しげのりさんは、巻末の「作者のことば」で、次のように記しておられます。

「私は、子どもが本を読むということに、限りない希望を感じます。
そして、本が好きな子に育ってほしいと願います。
なによりも、私の中に、『町の本屋さん』への安心感と信頼感があるからです」

ネット書店の成長や、出版・書店業界の制度疲労など、さまざまな要因が絡み合う中で、いわゆる「町の本屋さん」が急速にその数を減らしている昨今。本書における本屋さんの描き方には、いくぶん理想化されたところもあるように感じられます。
でも、想像力と創造力、そして夢を育む場所であり、地域の人びとが集い、交流できる場所でもある町の本屋さんの空間は、一人でやってくる子どもが安心できるのはもちろん、大人にとっても居心地のいい、地域にとって大切な「サードプレイス」であることは確かなのではないかと、わたしは思います。

この絵本の主人公、かおりちゃんのように、子どもたちみんなが素敵な本と本屋さんに巡り会えることを、願ってやみません。

Posted from スタッフ押川

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