「児童図書・優良図書展示会」@宮崎県立図書館(前編)

2019年06月23日

こんにちは。スタッフ押川であります。

先週の話題で誠に恐縮なのですが・・・6月17日と18日の2日間にわたり、宮崎県立図書館にて「児童図書・優良図書展示会」(宮崎県公共図書館連絡協議会・宮崎県書店商業組合・宮崎県教科図書販売が主催)が開催されました。学校図書館や公共図書館の皆さまを対象に、児童やヤングアダルト向けを中心にした新刊書やロングセラー、約12000冊を一堂に集めた展示会です。

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会期中は多くの図書館より、先生や司書の皆さまにご来場いただきました。ご多忙の中、足をお運びくださった皆さま、そして運営に多大なるご協力をいただいた宮崎県立図書館の皆さまに、あらためて心より御礼申し上げます。

当日は、出版取次会社(出版物の問屋さん、といったところです)や、児童書を出している出版社、そして地元の主要書店から担当者が集まり、運営にあたりました(弊社からは不肖わたくしが参加)。
会場の設営や本の搬入、撤収は重労働ではありましたが、平均年齢の高い(少なくとも40よりは上、と思われる)メンバーが老体にムチ打ちながらも(笑)見事なチームワークを発揮。おかげで思いのほかスムーズに進めることができ、達成感はひときわでした。撤収を終えて帰宅し、ひとっ風呂浴びて飲んだビールがひときわ美味しかったのは申し上げるまでもございません(おつまみは串カツでした)。

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そんなことはさておき。その展示会の期間中には、元浦安市立中央図書館司書の伊藤明美先生をお招きして、「選書を含む児童サービスについて」というテーマで研修会も開かれました。
伊藤先生は1982年より33年間にわたり司書として勤務。現在も小学校や保育園での選書や読み聞かせをはじめ、大学や講座の講師、絵本や子どもに関する執筆活動など、さまざまなかたちで児童書の普及に尽力しておられます。
わたしも、17日の午後に行われた研修会を会場の後ろで聴講させていただきました。伊藤先生のお話はとにかく面白く、教えられるところも山ほどあって、聞いているとついつい、メモをとらずにはいられませんでした。
とりわけ気持ちに響いたのは、次のお言葉でした。

「(図書館司書は)本の世界の楽しさを手渡すのが仕事」

伊藤先生のお話は、あくまで図書館の皆さまを対象にしたものではありましたが、本屋の人間であるわたしにとっても、ハッとさせられるものがありました。
「本の世界の楽しさを手渡す」仕事という意味では、図書館の皆さまも、わたしたち本屋の人間も、目指すところはまったく同じ。これからもお互いに手を取り合いながら、地元の読書環境を良くしていかなければ・・・。伊藤先生のお話は、本に関わる仕事の原点を再認識させてくれました。

ちなみに、福音館書店から1999年に出版された、子ども向けの職業紹介絵本『ただいまお仕事中』(おちとよこ文、秋山とも子絵、1500円+税)の「図書館司書」のページには、現役の司書だった頃の伊藤先生を描いたイラストとともに、司書のお仕事についてのインタビューが載っております。ぜひ覗いてみてくださいませ。

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さて、展示会ではいろいろと面白そうな本を見つけることができましたので、そのいくつかをぜひともご紹介したいのですが・・・そうするとさらに長い記事になってしまいますので、それはまた次回に。

岩切書店(宮崎こどものとも社)

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〒880-0912
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向田邦子さんの名エッセイを、2大人気作家が絵本化した『字のないはがき』

2019年06月23日

こんにちは。スタッフ押川であります。

テレビドラマの脚本、エッセイ、小説の各分野で優れた作品を送り続けた向田邦子さん。不慮の航空機事故により、まだ51歳という若さで世を去って40年近くになりますが、いまもその作品は多くの人に愛され続けています。
その向田さんの作品でも、とりわけ多くの人から愛されているのが、エッセイ集『眠る盃』(講談社文庫、640円+税)に収められている「字のない葉書」。国語の教科書にも取り上げられているこの名エッセイをもとに、角田光代さんが文を、西加奈子さんが絵を手がけ、小さな子どもたちにも読みやすいかたちで絵本化したのが『字のないはがき』(小学館、本体1500円+税)です。

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戦争が激しくなり、家族と離れて疎開することになった幼い妹。まだ字が書けなかった彼女に、お父さんはたくさんのはがきを渡して、元気な日には丸を書いて毎日ポストに入れるように言いつけ、送り出します。疎開へ行く日、妹はまるで遠足にでも行くように、嬉しそうに出発していったのですが・・・。

余計なものを排し、対象をクローズアップして描いた西さんの絵は、シンプルだけどとても豊かな味わいがあって、見る者の気持ちに響いてきます。小説家として高い人気を集めている西さんが、これほど味わいのある絵をお描きになるとは、と驚きでした(西さんは自著の装丁や挿画も手がけておられるということも、実はつい最近になって知りました。お恥ずかしい・・・)。
大の向田邦子ファンという角田さんも、向田さんの作品世界が子どもたちにも伝わるかたちで、うまくアレンジしているように思いました。向田さんのエッセイでもおなじみの、いつもは厳格で怖いお父さんが見せる家族愛が、深い感動を誘います。

2人の人気作家の手でよみがえった、家族の絆の物語。ぜひとも子どもたちにも読み継がれてほしい一冊です。

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お酒もごはんも進む、超オススメの小鍋料理「豆腐とじゃこの海苔鍋」

2019年06月10日

こんにちは。スタッフ押川であります。今回は気楽な話題をひとつ。
以前買っていた小鍋料理の本に、ちょっと気になっていた一品がありましたので、試しに作ってみることにいたしました。刻んだ長ネギとちりめんじゃこ、そして細かくちぎった海苔で豆腐を煮込んだ「豆腐とじゃこの海苔鍋」であります。

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調理に使ったのが土鍋でなくスキレットというのが、いささか風情を欠くのですが(笑)、じゃこと海苔が醸し出す磯の香りに、仕上げに加えたコショウとごま油がいい風味を加えていて、焼酎がグイグイ進んで進んで。そして、豆腐を食べて残った汁をごはんにかけて食べると、これまたごはんが美味しくて美味しくって。見た目は地味な料理ではありますが、大満足でございました。

ちなみに、この料理のレシピと作り方が載っているのは『まいにち小鍋 毎日おいしい10分レシピ』(小田真規子著、ダイヤモンド社、1100円+税)という本であります。

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「豆腐とじゃこの海苔鍋」のほかに、「塩鮭の石狩鍋」「きのこと豆腐のアヒージョ」「中華風にんにくすき焼き」「トムヤムクン風鍋」などなど、手頃な材料で手早く作れて、お酒のお供としても美味しく、ヘルシーな小鍋料理のレシピ、全50品が紹介されています。調味料や食材の活用法や調理法、余った食材で作れるおつまみの紹介といったコラムも充実していて、コンパクトながらも大いに使える一冊であります。
皆さまもこの本を片手に、いろいろな小鍋料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。・・・そうそう、「豆腐とじゃこの海苔鍋」もぜひお試しあれ。

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「はらぺこあおむし」&「かこさとし」Tシャツで、暑い夏を楽しく快適に!

2019年06月02日

こんにちは。スタッフ押川であります。いきなりなのですが、こちらの画像をご覧くださいませ。

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「・・・え?なんでTシャツの画像を?」と思われた方も多いことでしょうが、実はこれも、当店で扱っている商品なのであります。
モチーフになっているのは、ロングセラーとなっているお馴染みの絵本『はらぺこあおむし』(エリック・カール作、偕成社)。グレーの布地に白い線で絵が入っていて、ちょっとオシャレな感じです。

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そしてこちらは、やはりロングセラーとなっている『どろぼうがっこう』(かこさとし作、偕成社)をモチーフにしたTシャツです。こちらには、同作に登場する「くまさか とらえもん」校長がどどーんと描かれていてインパクト十分。背中側にぞろぞろと描かれている、どろぼうがっこうの生徒たちがまた、愛嬌たっぷりなのであります。

・・・ちなみに、モデルとなっているのは不肖わたくし、であります。せっかくのTシャツが台無しになるといけませんので、顔のほうはカットさせていただきましたが(笑)。
いずれも自分で買って着ているのですが、綿100パーセントということで着心地も快適。人一倍暑がりのわたしですが、おかげで蒸し暑い日中でもすごく快適に過ごすことができております。

かこさとしさんの作品をあしらったTシャツには、ほかにも『からすのパンやさん』バージョンがあるほか、『はらぺこあおむし』Tシャツにはグレーのほかに白とピンクもございます。もちろん、サイズは子ども向きから大人向きまで揃っております(お値段はいずれも2500円+税)。

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今年の夏もまた、蒸し暑くなりそうです。「あおむし」&「かこさとし」Tシャツで、快適で楽しい夏をお過ごしになっていただけたら、と思います。

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気持ちが疲れたときにおススメしたい、ヨシタケシンスケさんのスケッチ+エッセイ集『思わず考えちゃう』

2019年05月21日

こんにちは。スタッフ押川であります。

いま一番イキのいい絵本作家といえば、なんといってもヨシタケシンスケさんでございましょう。新しく発表される作品はいずれもベストセラーとなる超売れっ子にして、絵本デビュー作『りんごかもしれない』以来、さまざまな賞を受賞して高い評価を得ている実力派でもあります。わたしも、ヨシタケさんの新作が出るたびに購入しては、ニンマリしながら楽しんでおります。
そのヨシタケさんの近刊『思わず考えちゃう』(新潮社、本体1000円+税)は、日常のふとした時に「思わず考えちゃった」ことを描いたスケッチを集め、そこに込めた思いを語っていくというエッセイ集です。

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たとえば、「ききうでのツメは切りにくい」というお話。ききうで(ちなみにヨシタケさんは左利き)のツメは、ききうでではない方の手で切らなければならないので、ききうでのツメは上手には切れない・・・ということに気づき、「近すぎるから、出来ないこと」がたくさんあるという話に繋げていきます。ちょっとしたことではあるのですが、わたしにはなんだか、妙に頷けるものがございました。確かに、近すぎるがゆえにうまく出来ない、思うようにいかないコトって、いっぱいあるんだよねえ・・・(思わず天を仰ぐ)。
また、ストローを入れる紙袋を小さく折りたたまずにはいられないヨシタケさんとは対照的に、妻君はくしゃくしゃの状態でそのままにしている・・・というところから、最も自分にとって遠い物が、世界の裏側まで行かなくても身近なあちこちに転がっている、ということを考えたりします。これにもまた「なるほどなあ」と思わされました。

子育てをする中で遭遇したひとコマを切り取ったスケッチにも、微笑ましくなるようなものがいろいろとあります。
とりわけお気に入りなのが、せっかく買ってもらったぬいぐるみを、何かの下敷きにしたまま別の遊びに興じる息子くんを見たヨシタケさんが、「プンちゃん(ぬいぐるみの名前)はさまっちゃってるよ?」と言うと、息子くんが、
「だいじょうぶ。プンちゃんいたいのだいすきだから」
と答えたというお話。まだ幼い身空で、ぬいぐるみに「いたいのだいすき」(!)という設定を与えるというオトナ顔負けの発想には、もうただただ脱毛・・・もとい、脱帽するばかりであります。

微笑ましいスケッチもある一方で、本書にはけっこう、まじめで深い考察も込められております。
「もし、そうなったら、そういうものをつくればいいだけだよ」という言葉を添えた、子どもを抱きかかえた親のイラスト。それは、「日々恐れていてもしょうがないよねって、ごくごく当たり前のことを自分に言い聞かすために描いた一枚」だといいます。
誰にでもある、明日の変化に対する恐れ。それを受け入れるためには、その時できることをやり、それに合わせたものをつくればいい・・・。シンプルだけど、人間への信頼にあふれた考え方に、しみじみと感銘を受けました。

微笑ましさと、「なるほど!」と思わられる発見、そして生きることをラクにさせてくれるメッセージが詰まった『思わず考えちゃう』。気持ちが疲れたときに、ぜひとも読んでいただきたい一冊であります。

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