初代ウルトラマンの撮影現場がよくわかる『ウルトラマンをつくったひとたち』

2015年02月18日

こんにちは、スタッフ押川であります。
普段はノンフィクション系の本ばかり読んでいるわたくしですが、1ヶ月に1冊程度、絵本を読むようにしております。
とはいえ、とりたてて絵本に詳しいわけでもないわたくしにとって、絵本に関する良き情報源となっているのが、SNSでつながっている絵本好きの方々。今回ご紹介する、この『ウルトラマンをつくったひとたち』(偕成社、税込1728円)も、そういった絵本好きの方のお一人から教えていただいたものであります。
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作者の一人、いいづかさだお(飯塚定雄)さんは、特撮の神様・円谷英二特技監督の門下で、『ゴジラ』(1954年)以降の東宝特撮映画や円谷プロダクションのテレビシリーズに関わり、円谷監督亡きあとは光学合成の会社を立ち上げて、数々の映画やテレビ作品を手がけてきた、まさに日本特撮の「生き証人」ともいえる方です。
この絵本では、飯塚さんも関わっていた初代『ウルトラマン』(1966〜1967年)の製作現場を描いています。ストーリーの練り上げから、怪獣やメカの造形、ワイヤーを駆使した操演、大掛かりなミニチュアセットでの撮影•••など、『ウルトラマン』における特撮の撮影風景が思いのほか細かく描かれていて興味深いものがありました。飯塚さんが手がけていた、ウルトラマンの必殺技「スペシウム光線」の作画合成の過程もわかりやすく絵解きされています。
この絵本を読むと、特撮というのは創意と工夫の積み重ねによって成り立っているんだなあ、ということがとてもよくわかります。また、監督や脚本家のようにデカデカと名前が出ることもなかった、操演や特殊効果(ミニチュアを壊したり爆破したりする仕掛けを担当する役目)のスタッフたちもたくさん描きこまれていて、そこに "名もなきスタッフ" たちへの敬意が感じられるようで感銘も受けました。
また、画面の至るところに、宇宙忍者バルタン星人や、古代怪獣ゴモラ、三面怪人ダダなどの、シリーズではおなじみのキャラクターが登場しているのが、大きなコドモ(含むわたくし)には嬉しいところです。

初代ウルトラマンが誕生してから、来年でちょうど50年。その後のCGの進化と普及によって、映画、そして特撮の現場も大きく変わってきてはいるのですが、創意と工夫、そしてチームワークによって作り上げられていく「特撮」には、まだまだ魅力と可能性があるように思うのです。
この絵本を通して、多くの子どもたちに「特撮」の面白さと素晴らしさが伝わってくれればいいなあ。

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