想像することの楽しさと豊かさが満喫できる絵本『夢にめざめる世界』

2016年09月08日

長いこと長いこと、かな〜〜り長いことご無沙汰しておりました。スタッフ押川であります。
過去記事をたぐってみたら、前回の登板が昨年の11月。それから山あり谷あり奈落あり(笑)といろいろございまして、すっかり当スタッフブログから遠ざかっておりました。
ですが、いろいろな本のことを皆さまにご紹介しお伝えすることは、われわれ本屋の人間の大切な仕事ですので、またこの場を通して本のご紹介などをお伝えしていきたいと思っております。どうぞ、引き続きよろしくお願い申し上げます。

絵本についての知識は社内で敵うものなし、といってもいい弊社の常務から、
「ケンちゃん(わたしの下のほうの名前が「ケンタ」なもんで、そう呼ばれたりしております)この絵本すごくいいよ〜〜」
と強力推薦されて中身を見たらたちまち虜となり、さっそく購入したのが、今回ご紹介する『夢にめざめる世界』(ロブ・ゴンサルヴェス作、金原瑞人訳、ほるぷ出版)という絵本です。
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ルネ・マグリットなどのシュールレアリズムに影響を受けたというカナダの画家が、これまで描いてきた数々の「だまし絵」に、自作の詩を添えて一冊にまとめた絵本です。
森の中にある湖にぷかぷか浮かぶ女性の上に広がる空が地球の姿へとつながったり、水中の光景が上空から眺める砂浜の風景につながったり、はたまた流れ落ちる滝の水がダンスを踊る女性たちの姿に変わっていたり・・・。精緻なタッチで描かれた不思議な「だまし絵」の数々は何度見ても、驚きとともに遊び心を刺激されます。そして、それぞれの絵に添えられた詩の言葉が、想像力を大いに掻き立ててくれます。

とりわけわたしがお気に入りなのが、閲覧机の上に本が積み上がった図書館の光景が、いつしか建物が立ち並ぶ街の風景へと変わっていく絵です。そこには、こんな詩が添えられています。

「その世界では、
ひとつの言葉
ひとつの考え
本の1ページから
すべてがはじまる。」

なにげなくめくる本の1ページが、さまざまな世界へとつながり、いろいろなものを作り上げていく基にもなるということを訴えかけていて、感慨深いものがありました。
ちょっとアインシュタイン似の学者が黒板いっぱいに書いた難しげな数式が、星の瞬く宇宙の光景へとつながっている絵も素敵でした。想像力と探究心があれば、人間は宇宙の果てを含めたあらゆる場所へと飛んでいけるのだということを、あらためて教えられたような気がいたしました。

昼夜を問わない蒸し暑さからくる疲れなどもあって、夏の間は読書量が極端に落ちていたわたしでしたが、これからまたさまざまな本のページをめくって、自分の知らない世界へとつながっていきたいと思います。

岩切書店(宮崎こどものとも社)

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